第33章 私の身分が妬ましいのか?

長谷川栞は、ロビーに足を踏み入れた瞬間――人波の中にいる中野航平を見つけた。

もちろん、彼の隣に寄り添う中尾美希の姿も。

(……ふうん)

胸の奥で、乾いた嘲りが鳴る。長谷川家主催の、これだけ大きなパーティーにまで連れてくるなんて。

中野航平にとって、中尾美希はどれほど特別なのだろう。

――まだ離婚も成立していないのに、堂々と連れ歩くなんて。

中野航平の瞳に複雑な色が宿る。けれど栞は、すでに淡々と視線を外していた。

「本日は皆さま、お忙しいところ――」

落ち着いた所作。澄んだ声が、ロビーにほどよく響く。

栞は長谷川圭史の腕にそっと手を添え、階段を下りた。圭史の紹介に合わせて、...

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